土と根っこの話
4月に入り全国各地で花の便りが聞かれる季節になりました。ここ奥村マタニティクリニックでも駐車場入り口にはハナミズキや芝桜が、2階のガーデンではチューリップとネモフィラ、ビオラが饗宴しています。
毎年花の咲くころには注目されるチューリップ達ですが、準備は冬から始まっています。冬に植え付けられてから寒い間にたくさんの根っこをはりめぐらし、土から栄養や水を吸収して春にそなえます。その様子はさながら胎盤にはりめぐらされた血管のようです。胎盤は子宮の内側にくっついていて、へその緒を通して赤ちゃんが成長するための酸素や栄養を運んでいます。
おなかの中の赤ちゃんにとってはお母さんの体が土にあたります。植物の栄養素には窒素・リン酸・カリウムやミネラルがありますが、窒素が多すぎると栄養過多となり病気にかかりやすくなったり根腐れしやすくなります。少なすぎてもいけません。とにかく各栄養素のバランスが大切なのです。
お母さんの体も同様です。赤ちゃんにとって必要な栄養は何かを考えながら食生活や日常生活を見直してみるのも良いですね。
コロナ禍がいまだ過ぎ去らず、ストレスをためがちだったり日常があわただしかったり、皆さんはまだまだ厳しい日々を過ごしている事でしょう。でも今晴れやかに咲きほこっている花々が厳しい冬を乗り越えて来たことに思いをはせながら愛でて、心の栄養にしていってくださいね。