当院の耳より情報をお届けします。
奥村理事長のつぶやきも必見!
迷信?あなたは信じますか...。
もうすぐ家族となる新しい命が日々お腹の中で育っていくのを実感して、思わず笑顔がこぼれる毎日を送っておられる妊娠真っ最中の貴女、おめでとうございます。
妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにもなるべく嫌な言葉は聞きたくない。嫌な気持ちになりたくない。と思うのは「おかあさん」の本能だと思います。
ところが、妊娠を自覚してお産までの8から9か月の間、妊婦さんに優しい言葉だけを聞いて生活できれば良いのですが、そうはさせてくれないのが世間です。
なんでそんなこと言うのよ!そんな非科学的なこと迷信やんか!あんたに何がわかるのよ!と言いたいことのひとつやふたつ言われた経験は必ずあると思います。昔からの言い伝え「迷信」今の文明開化から150年経とうとしている令和の世に世迷言やめてよ!と言いたくなる貴女の気持ちわかります(言われた相手が姑や小姑だと、その血の繋がった旦那様までが憎らしく思えてきますよね)。反感持って無視する喧嘩するそして気持ちモヤモヤ、ストレスむらむら。お腹の赤ちゃんに良い影響あるわけないですよね。じゃあ私はどうしたらいいの!
一息入れて、少し賢くなってみましょう。そんなこと言った人も自分が考えたオリジナルなセリフではないはずです(そんな文句考えられる頭の良い人は自分で言ったりしません)。
賢い人は他人を不愉快にさせる言葉を意味なく口にすることはしません(自分の損になりますからね)。ということは、今「迷信」と言われていることは昔から(少なくとも戦後70年以上前から)それなりに皆を納得させてきた事だと思いませんか。そうでなかったら、今のこの情報社会に言葉だけが生き延びているはず無いのです。何故そう言われてきたのかを考えてみましょう。そうすれば「おもしろい!」と思えて腹も立ちませんし、自分も賢くなれます。お腹の赤ちゃんにも教えてあげられます。いくつか例を挙げて解説してみましょう。
「お腹大きい女性は冠婚葬祭を避けなければならない」
お腹大きい貴女が冠婚葬祭の主催者であるはずはありませんよね。そして、冠婚葬祭の場というものは沢山の他人が集まって「密」になる場所です。そんな処に妊婦さんが居たら周りの他人に気を遣わせるでしょ。そして、妊婦さんは気分悪くなったり体調の急変を来しやすいですよね。貴女のために会が台無しになったと言われたら嫌でしょ。だから、お腹大きいことを理由にキャンセルしても構いませんよという他人の優しさなんです。それと、他人が沢山集まれば、新型コロナウィルスを例に出すまでもなく「感染症」をもらうリスクが高まります。お腹の赤ちゃんのため無駄なリスクはできるだけ避ける、これが賢い妊婦の生きる道です。
「妊娠中に火遊びする(火事を見る)と痣アザのある子が生まれてくる」
どう考えても非科学的。これこそ「迷信」そのものじゃない!と言いたいですよね。慌てる乞食は貰いが少ない。一呼吸おいて考えてみましょう。昔の冬は今よりもずっと寒かったです。暖かい火は何よりのご馳走でした。火遊びするとは「焚火、落ち葉焚」のことです。道や庭に落ちた木の葉を集めて紙屑と一緒に道端で燃やす(50年くらい前までは彼方此方で普通に行われてました)。そうすると通り掛かりの他人が暖を取りに集まってくる。寒い外ですから当然「密」になります。分かりますね「感染症」のリスクが高くなる。赤ちゃんの「痣アザ」は赤ちゃんの先天的病気のことです。子宮内感染症のリスクが高くなるから、賢い妊婦さんはそんな処は近づかないようにしましょうね。ということです。火事場というのは危険な場所です。どんな事故に遭うかわかりません。妊婦さんはお腹の赤ちゃんのために危険な場所には近づかないでおきましょうねと言うことです。
「高いところの物を取ると逆子になる」
妊婦さんが手を挙げて背伸びしたってお腹の中の赤ちゃんがひっくり返ったりはしません。高いところにある荷物を取ろうとする足台に乗ったりしますよね。お腹大きくてバランス取りづらい妊婦さんひっくり返って怪我するリスクあります。ひっくり返った拍子に赤ちゃんもお腹の中でひっくり返って逆子になる可能性はあります。そして、高いところの荷物がお腹に衝突すれば赤ちゃんにダメージを与えるリスクもあります。高い所の重い荷物は(赤ちゃんの安全のため)あなたの力強いところをお腹の赤ちゃんにも見せてやって、と優しく甘えて旦那様に下してもらいましょう。
どうですか、そう言われる理由が分かればありがたい言葉でしょ。きっと昔の人は天邪鬼で口下手だったのだと想います。嫁をイジメてやろうという悪意があったわけではないと想います。貴女は姑や小姑よりずっと若くて美しく幸せに満ち溢れている(それが大きなお腹に象徴されている)存在です。ひと息ついて何でそんなこと言うのかなと考えてみましょう。分からなかったらかかりつけの助産婦さんに尋ねてみましょう。安心して賢くなれますよ。貴女が賢いお母さんになることがお腹の赤ちゃんを幸せな子供へと育てるのです。
がんばってください。
奥村マタニティクリニック いのうえ(天邪鬼な爺さん)