不妊治療
不妊症とは、妊娠を希望し避妊をしないで性生活を継続的にしているにもかかわらず、1年を経過しても妊娠が成立しない状態といわれています。
不妊症の原因は様々で女性のみにあるわけではなく、男性側に原因があることも意外に多いのです(あるいは両方)。はっきりした原因が特定できないケースもありますが、なぜ妊娠しないのか原因を調べ、その原因に合わせた治療行うことが妊娠・出産への近道だと考えています。
不妊症による治療効果は年齢と共に妊娠率は低下するため、 なかなか妊娠に至らない際には早い時期に不妊症原因を調べるスクリーニング検査や適切な治療を受けることを検討してみることが大切です。
不妊スクリーニング検査
- その他 膣分泌物培養検査、クラミジア抗原・淋菌抗原を実地しています。
- 抗ミュラー管ホルモン検査(AMH)や抗精子抗体検査、子宮鏡検査が必要となる場合があります。
不妊スクリーニング検査は月経周期に合わせて実施しています。
- 月経期検査
月経周期の3日目から5日目として、下垂体ホルモンであるLH・FSH・PRL、また卵巣からの卵胞ホルモンであるエストラジオール(E2)やテストステロンの測定を行っています。 - 卵管疎通性検査+超音波検査
卵管の通過性を確認する検査として卵管通水検査を実施しています。
卵管通水検査で異常が疑われた場合には子宮卵管造影検査(HSG)を実施しています。
併せて超音波検査を行い排卵日を推定します。 - 排卵日検査+超音波検査
排卵日に相当するタイミングで頸管粘液を採取し頸管粘液の量と性状を調べます。
フーナーテストでは膣内に射精された精子の頸管粘液内への到達具合を確認しています。
超音波検査では排卵確認も併せて行います。 - 高温期検査+超音波検査
月経周期の20日目から22日目に着床環境を整える卵巣からの黄体ホルモンであるプロゲステロン(P4)と甲状腺機能を評価するためのTHS・FreeT4、糖尿病スクリーニングとして空腹時血糖検査とHbA1Cの測定をを実施しています。
併せて着床と関連する子宮内膜の厚みを超音波で計測しています。 - 精液検査
不妊原因の中で男性側が原因となっているケースは以外と多く、不妊原因40~50%は男性側が関与しているといわれています。男性不妊の原因のうち約80%は造精機能障害によるもので、精子濃度の低下や運動精子数の減少や形態的な異常を伴った精子が増加するなど様々な状態が含まれます。
当院では顕微鏡所見と精子自動分析装置にて、より詳しい精液検査を実施しています。
最近ではスマートフォンを用いて精液の状態をセルフチェックするキットもインターネットで購入できるようですが、より詳しく精液評価が可能な精液検査をお勧めしています。
精液検査は自宅で採取いただき、専用の容器でクリニックに持参いただくことも可能です。